税務調査では、業種や規模に応じて重点的にチェックされる項目があります。本記事では、特に頻出の10論点を解説します。
【チェックポイント1: 売上の計上時期】 ■論点 ・売上の計上タイミング(出荷・納品・検収) ・期末日近辺の取引 ・継続的取引の収益認識
■対策 ・売上計上基準の明文化 ・契約書・納品書・請求書の整合性 ・期末日付近の取引の証憑整理
【チェックポイント2: 売上の漏れ】 ■論点 ・現金売上の計上漏れ ・関連会社との取引の漏れ ・副業・付随業務の収入
■対策 ・現金管理の徹底(売上集計表との照合) ・関連会社との取引の網羅性確認 ・キャッシュフローと売上の整合性
【チェックポイント3: 棚卸資産の評価】 ■論点 ・棚卸資産の評価方法の適切性 ・期末在庫の網羅性 ・滞留在庫・廃棄損の処理
■対策 ・期末棚卸の実地確認 ・滞留在庫の月次モニタリング ・廃棄証憑の保管
【チェックポイント4: 交際費】 ■論点 ・交際費の業務関連性 ・他の科目との区分(会議費・福利厚生費等) ・接待相手の明確化
■対策 ・領収書への参加者・目的の記載 ・会議費(1人5,000円以下)の区分明確化 ・社内ルールの策定
【チェックポイント5: 役員報酬・賞与】 ■論点 ・定期同額給与の要件適合 ・事前確定届出給与の届出と支給の整合性 ・過大役員報酬の判定
■対策 ・株主総会議事録の整備 ・賞与の事前確定届出書の保管 ・同業他社との比較資料
【チェックポイント6: 関連当事者取引】 ■論点 ・取引価格の妥当性(独立企業間価格) ・取引の必要性 ・グループ間の利益移転
■対策 ・取引価格の根拠資料整備 ・取引の合理性の説明 ・第三者比較データの収集
【チェックポイント7: 経費の家事按分】 ■論点 ・家賃・光熱費の按分割合 ・通信費の業務利用比率 ・車両関連費の按分
■対策 ・按分割合の根拠説明資料 ・使用実態を示す記録 ・継続的な按分基準の維持
【チェックポイント8: 貸倒れの判定】 ■論点 ・貸倒損失の計上要件 ・貸倒引当金の繰入限度額 ・回収努力の有無
■対策 ・回収努力の記録(督促・交渉履歴) ・倒産・破産通知の保管 ・法的整理の証明書類
【チェックポイント9: 減価償却資産】 ■論点 ・取得価額の妥当性 ・耐用年数の選定 ・修繕費 vs 資本的支出の判定
■対策 ・取得時の見積書・契約書 ・耐用年数表との照合 ・修繕費判定の客観的根拠
【チェックポイント10: 国際取引】 ■論点 ・移転価格税制 ・タックスヘイブン対策税制(CFC税制) ・恒久的施設(PE)の認定 ・源泉徴収義務
■対策 ・国外関連者取引の文書化 ・第三者比較データの収集 ・租税条約の確認 ・源泉徴収の網羅性確認
【業種別の特有論点】 ■飲食業 ・現金売上の計上漏れ ・賄いの取扱い ・人件費(アルバイト)
■小売業 ・棚卸資産の網羅性 ・売上の値引き処理 ・ポイント引当金
■建設業 ・工事収益認識(完成基準・進行基準) ・原価対応の引当 ・外注費の処理
■製造業 ・原価計算の適切性 ・棚卸資産の評価 ・研究開発費の処理
■IT業 ・ソフトウェア開発費の処理 ・サブスクリプション収益認識 ・クラウドサービス利用料
【調査官の質問パターン】 ■オープン型質問 「事業の概要を教えてください」 → 全体像の把握、不自然な点の発見
■クローズド型質問 「この取引の支払日はいつですか?」 → 具体的な事実確認
■誘導型質問 「これは交際費ではないですか?」 → 認識の確認、修正申告誘導
【対応の心得】 (1)分からないことは「分からない」と正直に (2)推測で回答しない (3)書類で確認してから回答 (4)虚偽の説明は絶対NG (5)感情的にならず冷静に (6)税理士に相談する時間を求める
【調査前の最終チェックリスト】 □ 過去3〜5年分の元帳・補助元帳 □ 売上・仕入の根拠書類 □ 経費の領収書 □ 給与関連書類 □ 銀行通帳・現金出納帳 □ 議事録・契約書 □ 関連当事者取引の資料 □ 国際取引の資料
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カテゴリ: 税務情報